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2009年、明けましておめでとうございます。 [blog]

先行き不透明な世相の中、新しい年を迎えました。それぞれの立場、環境で様々な思惑もあることと思いますが今年は歌舞伎町にとっても大きなエポックメーキングな年となるでしょう。そこで、昨年一年間を振り返って、今年はどうなるか考えてみたいと思います。

迷惑行為排除パトロール.jpg

昨年一年間を通して行ってきた迷惑行為撲滅パトロール(▲写真)、このパトロール以前、警察による違法風俗店の徹底取締りの結果、これらの店舗の客引きが激減した後のことですが、ホストクラブ等の客引きが数十人単位で歌舞伎町の来街者導線の表玄関であるセントラルロード靖国通り口(ドンキホーテ前)に立ち並び、まるで人間バリケード状態となっていた時期がありました。これは来街者にとって体感治安を非常に悪くする要因であり、街のイメージを損なうものと考え、ということから始めたものでした。

2007年5月客引きバリケード.jpg

▲2007年5月頃(パトロールを始める前)、セントラルロード入口を塞ぐホストクラブ客引き

その後、平成20年4月に都迷惑防止条例(東京都;公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例 )が改正施行された事もあり、パトロール開始時と比べればかなり環境も良くなったとは言え、まだまだ完全な状態にあるとは言えません。これらから導き出された結論は、体感治安は自主パトロール等の方法で「街」自身が街を守ることです。

客引きについて言えば、排除排除と言っても、これを出している店舗も「街」の一部であり、また彼らを規制しているのも「街」です。だから、本当は警察の範疇ではないのかもしれません。もっとも、度を越した迷惑行為は条例違反として取締りの対象ですが、そこまでさせない様にコントロールするのは我々「街」自身でやるべきなのでしょう。したがって、パトロール開始から20ヵ月、若干消耗戦にはなっていますが、この「街」自身が行う迷惑行為排除パトロールは続けていかなければならないものでしょう。

ただ、パトロールのやり方としては、もっとほかの方法を考えなくてはなりません。路面の店が自分の店前の清掃をするのと同じように、地域の全店が「自分の店前は自分で守る」ということに呼応すれば、本当はとても少ない労力で、しかも継続的に問題を解決できます。この理想にどう近づけるかが今年の課題です。

最近ではホストクラブの客引きがチラシ配りと称して、警察の道路使用許可をとって、なんてことはない、客引きを大きな顔で行っているケースが目立ちます。この件に関して、客引き行為のカモフラージュと分かっていて道路使用許可を出すなと、新宿署と我々の間で多少の摩擦はあったものの、現在は一歩前進し、許可申請に関する一定のガイドラインが警察窓口に明記されるようになりました。

コマ劇場(昨年末で閉館になってしまいましたが)前のシネシティ広場でのイベントでも同じことが言えます。そもそもこの広場は、法規制度上道路です。したがって、道路を使用したイベントは本来認められないものです。しかし、イベント開催時の安全を担保し、その開催が地域の活性化につながるという解釈見解で道路使用が認められている訳です。つまり、歌舞伎町ルネッサンスでいうところのマイナスをゼロにするという命題は、違法風俗店(無届け個室エステ、違法DVD販売店、ポーカー、カジノ店など)の徹底取締り等も含めて警察が機能することでかなり解けたのです。総じて、これら治安に関する事は、その方向性が街の意図に委ねられ、街のルールとして確立できれば、もちろん「街」の責務は重大となりますが、1つの達成点になると思います。
欲を言えば、現在新宿駅周辺地区に設けられている映画など撮影禁止エリアも、フィルムコミッションの様な形で様々な映画撮影が可能な街とはならないでしょうか。歌舞伎町ルネッサンスでは、大衆文化・芸能・娯楽の企画・消費・発信の街へとうたっているのですから、映画やドラマ制作の舞台としてもこの「街」自体を提供し、そしてこの街の映画館でその映画を観れる、ただ消費だけで集客をというのではなく、製作現場の街としてもそれを資源とする。人が集まるという事は、街にとっては集客としてありがたいことですが、警察にとってはある意味群衆であり、避けなければならないことであるという違いがありますが、「街」の責務として、安全を担保することなど対応の仕方があるのではないかと考えています。

DSC04586.JPG平成20年12月末をもって閉館した新宿コマ劇場

話は戻りますが、完璧とは言えないまでも何とかマイナスをゼロに近づけることはかなり出来た、その方法にも光が見えてきた。
さて今年は、となると、まさにゼロをプラスにする局面を迎えたと認識しています。これからは、街と行政の連携です。
コマ劇場が閉館され、跡地について東宝による新しい建設の計画が進められています。現在のところ、この開発の詳細は決定も発表もされてはいませんが、少なくとも、新ビルは新たなこの街の核となる、街にとって大きなプラス要因となります。東宝の専務さんも「任せてくれ」と仰っています。我々も大きな期待を持っています。ただし、工事仮囲いなどを活用した活性化対策を講じなければなりません。これに関しては、行政の様々な規制があると思いますが、ルネッサンスの正念場として(今までのことでは言いたいことは山ほどありますが、ここは割愛して)区行政にも活躍していただきたいと思います。ただし、このプラス戦略も東宝をはじめとした民の活力ですから、街の方向性・意図が反映できる様、区にも望むところであります。歌舞伎町の近未来に乞うご期待。

(追記)
このブログを立ち上げて半年以上も経ったのに更新が3回目という、お恥ずかしいやら不甲斐ないやら。
そこで、自らにプレッシャーをかける意味もあり、次回から「歌舞伎町のジョーさん、100人インタビュー」という企画を敢行してまいります。歌舞伎町に関わる様々な方々、老若男女、街の人でなくてもいろんなアイディアや考えを聞いてみたい人たちのところへ私自身が直接出向き、インタビュー形式でディスカッションを行い、このブログ上にアップしていこうというものです。合わせて乞うご期待を。


「第二回 元気が出る国分町セミナー」が開催!!-歓楽街ぶっちゃけトーク城氏に聞く! 本音で語り合おう-」 [セミナー]

久しぶりにブログを更新させていただきます。
今回は、仙台・国分町で行われたセミナーで基調講演を行ってきました。その模様が先方の会報で紹介されたので、これをそのまま記載させていただきます。実は、このセミナーへの講演以来には前段がありまして、昨年秋に開催された「歓楽街セミナー」で中山新宿区長が基調講演をされ、私がパネラーとして出席させていただいたのですが、その際にどうも皆さん方にとっては消化不良だったようでして。と言うのも、檀上の方々の話は、美しい話や今までに行ってきた活動の披露だったり、集まった皆さんが本当に聞きたかったことではなかった様で、そんな訳で表題にあるとおり「歓楽街ぶっちゃけトーク」と相成った次第です。当初30名位の参加とお聞きしていましたが、100名もの皆さんが聞きに来ていただきました。

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国分町親交会 第16号会報より
「第二回 元気が出る国分町セミナー」が開催!!


国分町親交会の主催による「第二回 元気が出る国分町セミナー -歓楽街ぶっちゃけトーク城氏に聞く! 本音で語り合おう-」が、去る9月3日にホテルリッチフレールド仙台で開催されました。今回は昨年の歓楽街サミットのパネルディスカッションにも参加されました歌舞伎町商店街振興組合事務局長である城克(まさる)氏を招き、歓楽街のより具体的な実態についてのお話が聞くことができるよい機会になりました。
以下、第一部の講演会と第二部のディスカッションで話し合われた内容についてご紹介いたします。
(なお、掲載内容は編集されたものであり、文責は編集担当にありますことをお断りいたします)
 
■プロフィール
城克(まさる)氏
1954年1月新宿区生まれ慶応大卒。歌舞伎町商店街振興組合事務局長。ほか新宿繁華街犯罪組織排除協議会、新宿カラオケ業防犯協力会、新宿歌舞伎町ホスト協力会などの事務局も兼ねる。
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第一部 講演「歌舞伎町の活動とこれからの街づくり」

◆街のイメージの共有化

まず街づくりには、基本的な前提として街の性格を理解することが必要ですし、そして実際に活動する「人」が必要です。
歓楽街は商店街とは性格が異なります。商店街は物販が7割を占める街を指します。歌舞伎町は飲食店が8~9割を占める歓楽街であって商店街ではないので、交付助成金が受けられません。歌舞伎町の家守事業(*)は必ずしも上手く機能していないと思われるのですが、このような街の性格の理解について十分ではなかったからではないかと考えています。
歌舞伎町の性格について申し上げますと、「どこどこのお店に行こう」というより「とりあえず歌舞伎町に行こう」といった街のブランドイメージが先行する街です。このようなエリアで集客する街においては「客のニーズに合わせた街づくりをしよう」というコンセンサスはありますが、歌舞伎町の将来について具体的にどうすべきかについてのイメージについては実は共有化できていません。
歌舞伎町商店街振興組合は昭和36年に設立いたしましたが、当時の歌舞伎町は商店街でした。時代とともに二代目の組合員の8割がビルオーナーに転身し、今組合員は200人を切り、さらに新宿以外に住まいを持つようになったため、新宿についてはあまり関心を持たなくなってきています。また、商店街における街づくりの成功例をみてみますと、強力なリーダーシップを発揮する人とその人ともに専従で動ける人がいます。では歌舞伎町はどうしたらよいか。そこで組合の中で組合員以外の方々でも自由に参加できる組織として「歌舞伎町よくしよう委員会」を立ち上げました。この組織の強みはメンバーのすべての方々が歌舞伎町のことが大好きだということです。毎回の会合には50人以上の方々が参加し、いろいろな意見が交換され、街のパトロールなどで実際汗をかいてもらっています。組合はこの組織に年間400万の予算を確保し、現在、街づくりの原動力になっています。

*家守事業:歌舞伎町区域において健全で魅力あふれるまちづくりを進めるために、空室をSOHO用途等にコンバージョンし、地域の文化や産業等に即したテナントを誘致するとともに、地域全体を活性化する事業。

◆街づくりと行政

次に街づくりと行政の関係についてですが、行政はそこに住む人々の一般的な利便の実現を目的とするものですから、行政と街とでは当然目的や考え方が異なります。その理解を欠いた行政への期待は失敗を招くおそれがあります。住民のための事業を計画し、予算を確保し執行することが行政であって、事業の結果の検証については街の仕事と理解すべきです。特に歌舞伎町は居住している住民が少なく、また実際に街の秩序に悪影響を与えているのは区以外の人々であることから、税の投入には消極的にならぎるをえないの現状です。
では街づくりをいかにすすめるか。組合では収益事業をおこなうことができません。したがつて、行政でも地元でもないタウンマネジメント組織の設立することが必要となります。たとえば街路灯のフラッグを広告媒体として収益をあげるには、組合ではできませんが、受け皿としてのタウンマネジメント組織を設立・運営することで収益をあげ、街づくりの目的に限つた運営に投下することができます。収益力のあるタウンマネジメント組織への転換が必要となってきます。
このように行政には自分たちの利益をはっきりと主張するべきですが、同時に必要以上の期待はするべきではありません。       先ほど例として挙げた「家守事業」は、無駄な公共施設をいかに活用するかの議論であつて、そのような公共空間が乏しい歌舞伎町ではなかなかむずかしいといえます。

◆街づくりと警察

歓楽街のおける最重要課題は治安対策であるといってよいでしょう。それには警察の後ろ盾が不可欠です。平成13年に起きた雑居ビルの火災は、歌舞伎町にとって大変悪いイメージをもたらしました。その後警察と共同で違法DVD店の取り締まりなどの治安対策を行なってきました。
たとえば、歌舞伎町交番は頻繁に職務質問活動を行なっています。そこで分かつたことは黒い鞄を持っている若者の7割がナイフを所持していることです。こういう地道な活動が通り魔殺人の予防に役立っているのではないでしようか。
また治安対策の重要な地位を占めるのが暴力団対策ですが、これについてもやはり警察の協力や情報交換が必要です。警察は組織内での情報の共有化するシステムがしつかりしているので、どこに相談してもその問題については組織全体が把握できています。

◆来街者から見た現状

歌舞伎町が大分変わってきているにもかかわらず、火災事故前後のイメージがなかなか払拭することができません。現在では次の理解を前提として歌舞伎町のイメージアップを図ろうとしています。
つまり、「キャバクラであれホストクラブであれ、風俗産業も合法であれば、客が求めているのだから、街のためには良いことである」という理解です。合法であるというために遵守すべき代表的なものは、「みかじめ料を払わない、客引きをしない、時間外営業をしない」の3点です。ホストクラブに限つていえば、現在合法的に営業している店は20店舗ぐらいです。全体で約160店舗の8-9割が時間外営業をしているのが現状です。合法的な店を100店舗までに増やすべく組合がバックアップしております。
「歌舞伎町よくしよう委員会」のパトロールも実効性が出てきています。どうも制服よりも防犯ジャンパーの人間には耳を傾ける傾向があるようです。この活動の資金作りとシステム化も課題です。そのため委員会ではいろいろなアイデアが出ています。ホスト・キャパクラ嬢による「歌舞伎町へ行こう」というタイトルのCDを出しその収益を優良店のアピールヘとの動きもあります。

◆歓楽街の安全・安心について

「安全」は担保しなければならないが、「安心」を担保する必要はないと考えています。なぜなら、「安全」は客引きの根絶など客観的に基準が決まりますが、「安心」は個人の価値判断による主観の問題です。現在、お客さんが本当に危険だと判断せざるを得ない実例は減少しています。現にボッタクリの被害届はほとんどなくなっています。
ただそれ以前に歓楽街はあくまでも歓楽街であることの認識は必要です。つまり、風俗営業については違法なものは認めないが、合法であればお客のニーズがあるわけだからそれを満足させる業態は認めるべきです。たとえば、ラブホテルやレンタルルームであつても合法であればよい、組合として認めるということは組合という公式な組織を使つての広報を認めるということです。
街は来街者のための環境づくりをすることが役割で、その土俵のうえで遵法に商売することができれば、どこにもない歓楽街ができるのではなかろうかと考えています。

◆24時間特区について

特区の中身についてはどのようなものでもよいのです。例えば、現在留学生ビザでは労働時間が限られますので、実際学費の支払いが困難になります。就労特区であれば、歌舞伎町のコンビニエンスストアで働いてもらうことが可能になります。風俗24時間特区が認められる前提として、将来的には地域エゴではないような形で街をよりよくすることが大事です。

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第二部 パネルディスカッション
「歓楽街はどうあるべきか」

●参加者
城克氏(歌舞伎町商店街振興組合事務局長)
進 行:荒川雅光氏(国分町:国分町地区安全安心街づくり推進協議会クリーンクリエイト国分町部会委員)
パネラー:山崎輝樹氏(榊ヨックシステム) 桑本徹也 (レストランバー「牧水」店主) (以下本文中の敬称を省略させていただきます)

荒川  当初、私は歌舞伎町の話を聞くことについては反発しておりました。歌舞伎町が国分町の参考になるのか、実際スケールが違う、性風俗の街のイメージが強すぎる、危険な街のイメージの点で歌舞伎町は国分町のモデルケースとして適切な街かについての疑間を持っていたからです。しかし、城氏の活動の情報を見聞きするにつれ、全国の歓楽街の状況について正確に把握されている人であり、歓楽街の街づくりの方向ついて先を読み、様々な知恵・解決策を持っている。昨年の歓楽街サミットの城氏のお話を聞き、より詳しく聴くことが重要であるとの思いにいたりました。今日詳しく街づくりのお話しができることは今後の「街づくり」の参考になるものと確信しています。
さて、まず私からお伺いしたいのですが、国分町では街路整備事業が進行中ですが、歩きやすい歩行空間の確保の視点に欠けているきらいがあるように思えます。荷捌き帯やタクシーの客待ち等新宿の花道通りの運用の仕方について具体的に教えていただきたいのですが。

花道通りについては、本当の目的は暴力団の車等の排除でした。警察の交通課と相談し、「歩きやすい街」を大義名分として事業化し改修費用は区が出してくれました。20m置きに1箇所二台分の荷拐1スペースを10箇所設けました。十分に対応できていると思います。ただ、歌舞伎町の場合は、一丁目は平日4時、日曜祭日は12時から翌朝5時まで車両通行止めですので、荷捌きはほぼ午前中で終わるのですが。
平成13年の雑居ビルの火災事故当時は、進入禁止も遵守されていなかったひどい状況だったのですが、お店の協力等もあり、現在では火事でもスムーズに消防車が入れるようになりました。警察の指導もあり現在では違法駐車はほとんどありません。結果、人通りがよくなりました。
また、タクシーに客待ちをさせないために道路は1車線分しかとりませんでしたので、交通スムーズになりましたし、歩道も非常に歩きやすくなりました。荷捌き帯は荷捌き目的のみのものです。

 

山崎  私はビル管理・不動産管理の会社で働いております。ファンドビジネス等によリオーナーチェンジが多いかと思われますが、新しいお店や業種業態が誕生している中でそういった方たちとどのようにコミュニケーションをとっておられますか?

半年ぐらいのサイクルで「よくしよう委員会」がテナント・ビルオーナーの情報をキャッチし、「よくしよう委員会」への参加の呼びかけをしております。

山崎  では、よくしよう委員会の構成メンバーや主要な課題活動内容はどのようなものですか?

現在の主要な課題は、よくなりつつある歌舞伎町のイメージをどうやって売り出すかです。例えば、コマ劇場が閉館し立替工事が始まります。二千数百坪あるスペースが真っ暗になるわけです。治安確保のためにもいかに工事壁面の明るさを保ち活用できるか、工事自体をイベント化できないかを検討しています。
構成メンバーは、歌舞伎町で商売をしようとする方や働く方、様々な業界・組合のさまざまな人たちに参加してもらっています。実はメンバー同士で歌舞伎町のよさを売り出す新しいアイデアが、異業種交流の中で生まれる場合もあります。例えばあるホテルに子連れでホストクラブに行くお客様がいらして、実際従業員が子供さんの対応をしていたのですが、委員会でその話題になり、ホストクラブと託児事業者とホテルとがタッグを組んだビジネス化ができるのではないかとの話に発展しつつあります。

 

荒川  「よくしよう委員会」の組織化についてですが、歌舞伎町のファンを集めるべく一番最初の声がけはどうされましたか?

当初組合員だけでスタートしたのですが、しかし組合員だけでは限界を感じました。実際テナントの方や働く人たちが欠けているのでは本当の歌舞伎町は語れない。そこでオープン化にふみきりました。4年ほどたちます。みんな歌舞伎町が大好きなんです。いろいろな意見が出てきております。街を良くしようと思つたら、街を好きな人を集めるべきですね。
会議は2時か3時から始めています。いつにするかは、 2週間後のいつかをその場で決めている。会議時間は2~3時間。実は組合員3分の1以内で他は非組合員なのです。

 

荒川  歓楽街のまちづくりにおいて、一階のテナント構成は重要だと思います。以前歌舞伎町は一階に性風俗のお店が多かつたのですが、現在は外からどういうお店か見える・分かることが多くなりました。何か指導・運動があつたのですか?

特に指導はしていません。ただ、ビルオーナーとは一階に見通しの良くないお店はよくないとの話はしています。したがつて、組合関連のオーナーの方はなるべく通常の飲食店を入れるようになっています。今後広がっていくのではないでしようか。
さらに進めて、行政にしかできないことなので区にお願いしているのですが、歌舞伎町については一階の路面店まで公共空間というガイドラインをつくって欲しいと訴えかけています。そうすることで一階のお店で一階の高さまでについては広告規制をかけることができる。そうなれば、ビルのあり方が良い方向に向かうのではないでしょうか。
新宿区の区条例等で不適切な看板を必要とする店が排除されれば、ビルが生き返るのではないかと考えています。

 

桑本  テナント側としてですが、国分町で約15年商売しておりますが、ここ5年で人の流れが変化しています。さまざまな要因があると思いますが、現実に歓楽街に人が集まってこなくなってきています。国分町全体の売り上げも落ちてきています。歌舞伎町の人の流れはどうでしょうか?

やはり最盛期に比べ来街者数は減ってきています。やはり売り上げも3割落ちてきていると聞いています。一方来街者が増える要因もあります。それは外国人観光客です。国分町に当てはまるかどうか分からないが、歌舞伎町では外国人観光客向けの街づくりも考える必要があります。たとえば銀聯(ギンレン)カードヘの対応です。どこかポイントを押さえて外国人観光客に優しい街づくりをしなければいけません。外国人観光客が一緒に食事できる環境が現在歌舞伎町にはありません。コマ劇場の跡地なんか利用できれば良いのですが。減少を食い止めるためにどのように環境整備をするかも検討する必要があります。歌舞伎町はエリアで集客する街ですので、集客力のあるお店がスポットで出店しても効果がありません。町全体としてどのようにお客様を集めるか、環境整備については頭を悩ませています。

 

荒川  歌舞伎町の「街づくり提案書」は国分町も見習いたものですが、どのようなところで提案されて、どのように周知されていますか?

当初警察庁に向けてのより具体的な24時間特区要望書でした。行政・警察からアドバイスを受け、「24時間特区」という表現を「眠らない街」になど、いろいろ修正を施しわれわれが望んでいる最低限の内容を盛り込みました。24時間特区の導入としての提案書です。

 

■自由討議

●街づくりのマネージメントについてですが、組織を運営にあたつて、総じて総論賛成・各論反対が一般的な課題となるようです。各論をつめていく中でどのようにコンセンサスを集約していくかについてどのように工夫されていますか?

難しい問題ですが、結局その調整役の役割を担うのが私の役割なんでしょう。みんなに意見を言っていただいて調整すること、個人的な見解ですが、各論については泣いてもらうところが出できてもしかたがない。みんなの意見が一致するとすれば、それはもはや行政であって、何かをやろうと思えばあきらめることが絶対でてくる。やろうと思うことを決めるのではなく何かあきらめることについて腹をくくることが先ではないかと思っているところもあります。総論で賛成していた方にとって各論で難しいところがあつた場合、あきらめてもらうしかないという立場で個人的に相談させていただいています。各論はだいたいエゴがむきだしの部分が多い。それはなしにしてください、もっと大きな視野に立ってくださいというと、今のところそのようなお話をさせていただいて反発を受けたことはありません。

●人の流れを取り戻すことについて。街の多様性が歓楽街での重要だと考えています。国分町の場合飲み屋さんばかりでなく食事をするお店やアミューズメント系のお店が増えるべきと思うのですが、歌舞伎町はいかがでしょうか?また国分町の客離れは道路が汚くなつた時期に重なります。通りやすさ、街をきれいにすることが街の再生にとつて重要なのではないかと考えるがいかがでしようか?

多様性についてはまさしくその通りだと思います。そのためには地域の中でのゾーニングが必要なのではないでしょうか。新宿では、新宿大通り商店街や東口商店街等などがありますが、それぞれの街の特徴があります。近隣の商店街との交流・話し合いの中を通じて、街ごとの特徴、歓楽街としての位置づけのコンセンサス、歌舞伎町らしさを確認することができるようになってきました。もちろん多様性を含んだ歓楽街ということが前提です。
環境整備については、行政の力が不可欠です。現在区の一般財源から年間予算とし3,500万が投下されています。残り7年間なのですが、歌舞伎町一斉清掃を業者に委託しており、 8人ぐらいの編成チームで1日2回ポイ捨て・放置ごみを全部回収しています。7年先は区の予算がなくなるので、組合は3,500万の収益をあげて自分達で業者に委託することを考えています。実際、事業者には組合ビルのスペースに格安で入居してもらっています。この事業継続が最重要課題といつてよいでしよう。

●宮城デスティネーションキャンペーンに向けて、宮城県社交飲食業生活衛生同業組合社交飲食業が営業の時間的延長を議会に陳情しているのですが、なかなか認めてもらえません。何かよいアドバイスはありませんか?

同じ悩みをかかえています。社交飲食業組合だと業界エゴと受け取られかねません。社交飲食業組合がとりに行くことはむずかしいのではないでしようか?法律・条例の改正において地域エゴ、業界エゴと見られるような動きには敏感ですから。そのためには街全体としてエゴではない一般的な目的を掲げる必要があります。24時間特区の最初の提案書はそのためにこのような表現をとりましたが、いずれにしろ組合というオフィシャルな街の組織が発信しないとむずかしいのではないでしようか?

●歓楽街では治安、すなわち安全の担保が最優先課題とのお話でした。実際国分町もだいぶ安全になってきたのですが、周知が不十分です。どうしたら周知できるでしょうか?

「歌舞伎町は危険」という一般的な固定的なイメージがあり、同様な課題をかかえています。このイメージをどう払拭するか。とにかく来てもらうことが必要です。特効薬はありませんが、考えられうるいかなる手段でも講じようと思います。CD発売の検討もそのひとつです。
また、マスコミについてですが、マスコミは面白い話は記事にするが、はなかなかイメージアップの話はなかなか取り上げてくれない。したがって影響力の強いマスコミにはパイプを作つておく必要があります。
歌舞伎町も以前それほど良くないイメージであったのですが、ホストクラブ・キヤバクラや街の資源としては今では認めてあげられる集客につなげられる業態があります。差し出がましいのですが、国分町にもそういうものがあればそれを活用することも必要ではないでしょうか。


[国分町プロジェクト進行中]
10月を迎え、「国分町活性化プロジェクト」も折り返し点を過ぎ、佳境にはいってきたといえるでしょう。
ここでは、現在プロジェクトで進行している事業のいくつかを簡単にご紹介します。なお、これらの事業はあくまでも企画中のもので決定した企画ではありません。したがつて事業名称ならびに内容が変更を伴うものであることをご了解ください。
■都市型観光促進事業
国分町の飲食店と宿泊をパッケージ化した付加価値の高い旅行商品の開発を目的としたモニター事業として以下のツアーを企画しています。
●ビジネス客向け「ビジネスパック in 国分町」
ビジネスホテルのご協力を受け、豊富な海の幸・山の幸を提供する国分町の飲食店の食事クーポン券をつけたフリープラン。
●団塊の世代向け、「仙台おとなの旅」
団塊世代のカップルや小グループをターゲットとし、DCイベントの鑑賞や国分町での飲食、ライブハウスでの二次会をセットにしたプラン。
●女性客向け「せんだい遊☆楽☆食」
「SENDAI光のベージェント」開催期間中、東北地方の女性をターゲットにした夜の飲食と昼のアウトレットモールでの買物ツアーをセットにしたプラン。
■魅力創出事業
●自慢の一品料理 in 国分町
県内産の食材を使用した「一品料理」を提供していただくお店を募り、広く広報する。また県の食材をしようした料理のつくり方教室の開催。
●国分町カクテルコンテスト
国分町をイメージしたオリジナルカクテルを提供していただけるお店を募集し、広く広報活動を行なう。
●SENDAI光のベージェント in 国分町
SENDAI光のベージェントの開催に併せ、国分町においても光のライトアップとタイアップイベントを実施。特別メニュー提供店も募り、イベント自体の広報活動も行なう。
●国分町限定商品の開発・研究
国分町ブランドを全国に向けて発信するため、国分町限定商品を研究。開発する。

その他推進体制の構築事業として、先進地視察や観光協会設立のための勉強会も企画されております。ホームページについても11月初旬のアップロードに向けて作業が進んでいます。


後日、「国分町よくしよう委員会」が立ち上がることになりましたと連絡をいただき、元祖「よくしよう委員会」の歌舞伎町として、これからも一つ一つ課題克服の活動を続けてまいりたいと思ってます。歌舞伎町での私どもがやっている活動は、うまく行くこともあれば、そうじゃないこともたくさんあります。ですが、うまく行っても行かなくても、その経験やアイディアを、それぞれ全国のいろんな繁華街で生かしてくれたらと思います。そのためには、全国どこでも歌舞伎町の話をしに行きますよ!

現在、よくしよう委員会では、来年4月発売を目標に、よくしよう委員会自身が制作となって「歌舞伎町へ行こう!」という楽曲CDを発売するという企画が進行中です。もともと歌舞伎町のオフィシャルなお土産グッズを考えようということから始まったアイディアなんですが、話はわりとトントンと進み、なんと自主レーベルとして立ち上げ、また、メジャー系流通にものせられることになってます。ヒットチャート上位を目指し、そうですね、紅白出場!なんてことも目論んでいたり。乞うご期待!


「歌舞伎町ルネッサンス」の在り方そのものの見直しが迫られている [blog]

更新に時間が空いてしまってゴメンナサイ。
元来、筆不肖なもので、ブログを立ち上げたのならもっと努力が必要ですね・・・^^;さて、7月31日、フジテレビと夕刊フジで自分のコメントが載りましたので、もう少し詳しくここで触れましょう。

吉本興業が昨年旧四谷第五小学校オフィスを開設し、そして7月14日より8月31日まで大久保公園でテント舞台を行っています。
舞台名は「新宿キャンプシアター」、これを街としてどうとらえているかという内容です。

・新宿7キャンプシアター

新宿キャンプシアターポスター サイドパネル.jpg DSC04957.JPG

究極のおもてなしの街を目指す歌舞伎町にとって、こういったプラスアルファのコンテンツ事業は大変ありがたい企画です。
これをまちづくりの起爆剤にさせるべく協力は惜しまないところです。
そもそも街が吉本さんに期待するのは、消費の街に生産の街を取り込むことなんです。

彼らのように演劇やTVの制作などに関わる人々は普通の人と違って1日の時間の使い方がかなりズレてます。
深夜までに亘ることもあるでしょう。よく考えてみると昼・夜とっ違えた仕事をしている人ってかなり居る筈ですよね。まぁ演劇・テレビに限らずですがクリエイティブというのはそういうものなんでしょうね。我々の一番身近なところにいるクリエイティブで言うとてらたにさんの活動なんか、どう見ても夜・深夜型ですからね。。

そんな人種の方々が深夜あるいは早朝に仕事が終わる、仕事帰りにちょっと一息といった時、歌舞伎町ならば飲み、食べ、遊んだりするところが24時間開いている。これは便利な街だねと感じて欲しいんです。
そして、それに気づいた人々が生産拠点を歌舞伎町周辺に集まってくる。こんな将来像を描いているんです。

「歌舞伎町ルネッサンス」で吉本興業を誘致した。そして公共の公園を使ってテント舞台を開催したという結果だけでなく(行政としては社会実験としての実績だけで充分なようですが)これを街としてどう次につなげて街づくりに取り組むかが一番大切なポイントです。

「新宿7キャンプシアター」、楽しいイベントも盛りだくさんです。
歌舞伎町の中を通らないと大久保公園会場には辿り着かないのでぜひ皆さん、歌舞伎町を見学がてら見に来てください。

ところでなぜ7キャンプシアターという名前がついたのでしょう。
7組の芸人さんが7週間交代交代で7×7、49日間。これはスポンサーに入ったTV東京が地デジチャンネルでは「7」チャンネルになるから、その告知も兼ねているからなんです。であれば、もっと「7」の露出をさせてあげても良いと思いますが、吉本興業も含め大々的な商業宣伝はNGとの事。もともとテント舞台だって商業活動なのに、この違いは何なんでしょう?

行政サイドの思惑が見え隠れするのですが思い過ごしでしょうか。

DSC02890.JPGハイジア1F玄関前に設置されていた「スポーツカフェ6」(5月21日より7月21日まで)

他にも「ルネッサンス」共催でハイジア玄関前で開催された「スポーツカフェ6」もスポーツ紙6紙の共同主催イベントだったのですが、結果スポーツ各紙の拡販はあまり成果がなかったと聞きます。スポーツ紙は公営ギャンブルで支えられているところが大きい。企画・運営をしていた電通としても、当初はスポーツ各紙のメインコンテンツでもある公営ギャンブルをスポンサーにし、イベントの盛り上げと事業性の確保を目論んでいたのですが、新宿区の行政としては公営ギャンブル系がNGだったことがことが事業としてもプロモーションとしても振るわなかった原因でしょう。この様に、誘致はするものの何かと広告活動を規制されては今後のイベント開催も厳しいと言わざるを得ないでしょう。電通も吉本さんも、「授業料ですかね。」とは言ってくれますが、実際、“次”があるのかと思ってしまいます。

一過性の社会実験で充分という行政の体質と、継続性や事業性なくしては何事も成立し得ない民間感覚とのズレこそが、まちづくりそのものの在り方、その方向性すら違うものにしてやしないか。

DSC09498.JPG年内閉館が決まった新宿コマ劇場

こう考えてみると、コマ劇場の閉館が発表され新ビル建築中の期間の閉塞感の中で街の活性化を図らないとならない。(参照:新宿コマ劇場が2008年末には閉館、5月28日(木)東宝(株)より正式に発表

これは街の死活問題だと考えている我々にとって「歌舞伎町ルネッサンス」が足かせにならない様にしていかなければならない。
であるなら、ルネッサンスの在り方をもう一度考え直す機会ではないでしょうか。


歌舞伎町のジョー×てらたにこういち、ロングインタビュー [インタビュー]

まず、記事の第一弾としてすでに歌舞伎町のまちづくりでブログを開設し、よくしよう委員会では同じ土俵で歌舞伎町のまちづくりを共に推進しているフリーのクリエイター、てらたにこういち君とのインタビューを行いました。てらたに君と自分は、おそらく表と裏の関係、彼は戦略家だし、情報をたくさん持っている。彼の情報で裏付けられたものと分析によって常にこの街がどうあるべきか、まちづくりはどうすればいいかを考え、議論し、起動修正が必要なら修正し、実行する。

まずは、このインタビュー記事で、私の街に対する考え方、街への感じ方を知ってほしいと思います。

歌舞伎町のジョー×てらたにこういち ロングインタビュー 【インタビュアー:てらたに氏 2008年6月25日(水)】
※細字はてらたに氏、太字が自分のコメントです。

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てらたに:城さんは、最初からずっと感じているのは、この街においていろいろやらなくちゃいけないことはある、だけれどもここの街で生きている人達が去るようなことはしたくないということですよね。

城克(じょうまさる):そう、働いている人もね。たとえば、ホストの連中にしたって、ホストにしかなれないようなコも多い。彼らも歌舞伎町で働くというその働き場所を提供しているのが歌舞伎町だという考え方ね。女の子だってそういうところもあるかもしれない。よそへ行ったら、たとえば他の仕事じゃなかなか厳しいということもある。歌舞伎町には歌舞伎町の厳しさもある。しかし、歌舞伎町だからこそ、働き場所がある。そこは侵したくない。またその受け皿にもならなくちゃいけないし。
話聞いてると、まぁ確かにホストのコたちがどう考えているかわからないけど、基本的に歌舞伎町に店を持ってる、歌舞伎町が好きだから歌舞伎町で店を出すんだし、歌舞伎町で働くんだし。
お客さんも歌舞伎町ってどんなところかなと半分興味もあるかもしれないけど、好きということがなかったら来ないからね。歌舞伎町が好きな連中ばっかりで、それをどうコントロールしたらいいのかとか、だから、やりようによってはまとめられる。みんな夢は同じなんだから。ただ立つ位置が違うんだよね。たとえば
北関東のヤンチャなニイチャンたちにとって憧れの場所であってもいいんだよ。合法であればね。

・今あるルールは守ろうよ?

ルールというか秩序というかね。最低踏み外しちゃいけないハードルはこれだよというのさえ明示してやってるのがたとえば今の迷惑行為排除パトロールだから。

・根本の部分は来街者あっての街だからということですか?

そうそう

・来街者の迷惑、あるいは不快感を与えるような行為そのものはなるべくないほうがいい?

なるべくというより絶対ない方がいい。

・何が課題として残っているかというと、それは見方によって見え方が違うものがあるのでは?

たとえば、来街者というのは単にお客というだけじゃなくて、この街で働く人も含めて来街者と捉えると、お客、それから働く人にとっての需要、ニーズがかみ合うものは残る。迷惑行為であっても、ニーズもあるというものがこの街に存在している。客引きもそうだし、スカウトもそう。ある意味それをうまく利用している来街者がいるというのも確か迷惑行為をやっているヤツらにとって見れば、それがニーズがあるからこそやっているのであって、彼らが引っ込まない理由はそこに対しての供給があるから成り立っちゃっているんだよね。そういう仕事をやりたいという女の子も来るからね。

・だが、法的には違法というものがこの街にはいっぱいある。それは、たとえば深夜の時間外営業なんかもそう。法的には違法、しかしニーズもあるから成立してしまう。

そうそう、そういうよその街にはないというか、ニーズにこたえてくれる街が無いんですよ。だから、歌舞伎町が存在しているし、それを合法的に取りに行きたいと思ってる。ニーズがある以上ね。それは店を経営するほうもそうだし、お客さんもそうだから。お客さんにとって見れば、歌舞伎町で遊びたい、歌舞伎町に求めるニーズがあるから来る。

・たとえば来街者にしてみれば、深夜にキャバクラやホストクラブで呑んだり遊ぶのが違法だと知っている人がどれほどいるのか?

そもそも皆無でしょう。我々は、こういうことをやっている限り、風適法や迷惑防止条例というのが分かっているから違法とかという認識があるけれどもわかってない人はそもそも違法だと思ってないからね。
たまたま、警察に踏み込まれて深夜の社交飲食営業がいけなかったんだというのがわかるだけで、店の経営者は確信犯でやっているかもしれないけど、働いている人間ですらわかってないからね。

・まして遊びに来ている来街者はもっと分かっていない?

そうだね。だから、普通は深夜酒類提供店と社交飲食業店舗と区別つかないよね。多分、行政も区別できていない。風適法の何号とか明確に分かっている行政の人なんていないでしょ。だったらみんな一律でなんでダメなの?って話になっちゃう。

・ただ、一般論として分かってなくてもいいのかもしれないが、少なくとも「まちづくり」をやっていこうという側は知ってなくてはいけないのでは。

そうそう、そこら辺はちゃんと理屈でだめなこと、法律で違法なこと、合法なこと、その間にある脱法ってのが全部分かってることが街をコントロールする側には絶対必要

・僕なんかも時々悩むのが、何のためのまちづくりなのか?その答えが見いだせなくなるときがある。

そこが問題で、歌舞伎町は来街者があるから成り立っているのであって、ある意味では「来街者のための」という言い方もあるし、街で商売している人達にとっては、そこで生活の糧を得ているのだから、店が流行るためのというのも正義だろうし、誰のためのと言ったら誰のためでもなくちゃいけないよね。地権者もいるし、店の経営者という立場の人、それから働いている人、遊びに来る人、みんなそうだよね。そういう人たちのためのまちづくりだと。

絶対言えるのは、行政のための街じゃないし、ヤクザのための街でもあってはいけない。この二つだけは明確でしょ。絶対違うのは。

・一方で、行政職員、たとえば新宿区役所の職員だって歌舞伎町に働きに来ているわけですよね。彼らは、そこに望んでいるわけではないかもしれないけれど、歌舞伎町の住民でもありますよね?

そう。でもその認識はないね。それは、話題が離れてしまうかもしれないけど、新宿区の自治基本条例を制定しよう動きがあって、その委員に
自分は角筈地区から推薦され、角筈地区の代表として参加することになっているんだけど、そこで一番考えなくちゃいけないのは「区民」という概念を、今の行政は住んでいる人しか「区民」じゃない、それは違うでしょということは声高に言いたい。

・そこで、望んでここに居る、或いは働いている人と、望まずにここにいる人とはちょっと違うんじゃないか?

うん、違う違う。だから、区の職員だって、望まずに働いているかもしれないけれど、でも、そんな人に新宿のこと、あるいは歌舞伎町なら歌舞伎町のことを考えてほしくないんですよ。お前らも区民だろと、たとえば歌舞伎町の町民でもいいや、歌舞伎町の一丁目4番地の区役所に勤めているんだから、それだけでも区民だろ、あるいは歌舞伎町の町民だろという認識を持ってほしい。

・たとえば、歌舞伎町ルネッサンスに対する反発というのは、基本的にはまさにそこにあると思う。

そうだね

・この街が好きで、あるいは望んで歌舞伎町にいる人達の声が反映されない。むしろ、望んでではなくやむを得ずここにいるような人たちが変に踏ん張っちゃっている、それは行政を筆頭に振興組合にしても、企業にしても似ている。

そうそう。で、彼らにとって見れば、自分の利害、利益が、街がどうなろうと関係ない人たちだから。そういう人に議論に参加して欲しくない。ヤクザもんも確かに利害という意味では無関係じゃないけれど、少なくとも街がどうなるか、そこに利害が無い人たちが高いところにいて議論している、あるいはそれを何か別のアリバイに使っているようなことは決してしてほしくない。

・そう言う意味で言うと、今の歌舞伎町ルネッサンスの「構造」そのものはいいとしても、人、キャスティングがまさにそれで、ゆえに全く機能しないものになってしまっていないか?

機能しているしてないで言うと、区という行政がそれを先導しちゃって、自分たち行政内のプライオリティだけで街を動かそうとしている。それは違うでしょと。

・しかし、もしかしたら行政が目指しているものと、街が目指しているものも、来街者が求めているものも、実は最後は同じものなのかもしれないのでは。

そうであるべきかもしれない。ただ、立っている位置が違うことによって夢すら、あるいは目的が違っちゃっているのかもしれないよ。

・それは、根本的に分けておくべきことを分けてないからじゃないか。この街に望んで来ている人、居る人と、そうじゃない人たちが分かりにくく混在していて、本来志の上でのアウトサイドにいる人達を外せばちゃんと一つになるのではないか?

そうそう!街に遊びに来る人と、街でそれを受け入れる人という目線は同じでいいと思うんですよ。だけど、行政目線はそれと違うから、つまり望まずにそこで働き、あるいは歌舞伎町担当をしてたりするわけだから、歌舞伎町がどうなったって関係ない人たちがいろんなことを言ってほしくないよね。

・ただ、そこを行政とは言え、歌舞伎町に関わるなら歌舞伎町を好きになれと言っても無理なのかもしれない。

無理無理。だけど、そもそも無理だったらやってほしくない。出来ないことをやろうとすることがいけない。出来ないことをやろうとするのだけではなく、出来ないことを「やる」というものいけない。

・そう、無駄な幻想を抱かせる。

新宿区は、区にしかできないことっていうのが逆にあるわけだから、それが街の意見を受け入れ、街の意思を後ろ支えするようなものであれば、そうすればそれは来街者が求めているものとイコールなんだから。

・たとえば、「安全」という言葉だけをとれば、安全はだれしもが求めているもの。たとえば賑わいであれば、誰もが賑わいを求めて来ているし、ならば賑わいがあったほうがいい。確実に共有できる部分はある。

ある。だけど、そこで行政は「安全・安心」という言葉をいっしょくたにして言っているけれども、安心というのに客観的判断基準はないから、あくまでも主観、それは街の人たち、来街者の人たちが安全な「場」において判断するもので、だから「安心」は外してしまって構わない。
ところが、区行政が考えると施策の上で安心が先に来ちゃうんだよね。安全且つ安心、となると安心って何?って話になる。

・そもそも、安心感を求めている人と求めていない人がいる。たとえば、高齢者にとって安心はもしかしたら必要なのかもしれない。しかし、若い人たちは安心じゃつまらない、安心はむしろいらないかもしれない。しかし、まちがいなく安全は必要でしょう。そのあたりの感覚の隔たりをひとまとめに「安全・安心」ということはあまりに乱暴すぎるように思う。

そうだね。ところが、安全となると、区行政は手を出せない世界じゃないですか。安全といえば、警察、あるいは国、つまり治安というのは国家が維持するものだから、区が治安を維持することは出来ない。そこで区としては「安全」ということを自分たちができないものだからということで、「安心」を中心においてやろうとする。それがそもそもおかしい。

・では、そうなると新宿区に歌舞伎町対策においてやってもらいたいことはなんでしょう。

たとえば、四葉会(シネシティ興業四社)で総合開発としての地区計画をやろうとしてきた。それは地区計画的な網を被せることのできる権能は区にあるのだから、じゃ、それは本当に使えてるのか?現実にコマ劇場・東宝会館の単独再開発(関連記事)で露見したように、全然機能してなかったじゃない。それから、歌舞伎町には街設立当時からある裏界通路と呼ばれている、昔の下水道がそのままの状態で何も活用されないままである。これは、区から言わせれば「街が言わなかったら・・」って言うんだけど、そもそも都から払い下げた区有地なのだから、区が音頭をとって、こう考えているんだけど街のみなさんどうですか?って言う風に先導しなかったらまとまらないよね。それをやらないで、建物の更新・建替え誘導はできない。

・まちづくりをやっていくのが大前提であって、歌舞伎町ルネッサンスを維持するためにやってるわけじゃないですからね。

そうそう。だから、ルネッサンスの中で新宿区ができることと言ったらそれこそ今の二点に尽きると思いますよ。裏界通路どうするの?地区計画どうするの?その部分をやらずに飛び越え、安全をさらに飛び越えて、安心だけを求めようという街づくりは歌舞伎町には合わないよ。
現実に、たとえばいろんなインフラがあるかもしれないけれど、建て坪が25や30坪の5階建のビルはもう老朽化して建て直さないといけない。しかし、経済効率的に今のままでは建て直すことなんか不可能なんですよ。で、どうするかって言うと、そのオーナーの人は相続が発生した時点で売ってどっかへ去る、じゃ、それを誰が買うの?という話になるとそれこそ現実的に暴力団?山口組?系ファンド?大変な話になっちゃう。裏界通路という問題が解決できれば、もしかしたら背中合わせで一緒になってということが可能だし、いろいろと建替え誘導の促進剤にはなりえる。しかも、裏界通路を表に付け替えることによって通りの幅が増す、歩きやすくなる。これこそ、区が考えなかったら出来ないことなんだけど、そこを一切議論してくれないからね。
先日区の昔から裏界通路に関わっている人に話を聞いてみたら、結局自分が在籍しているというか、役目を負った時にやりたくないだけの話なんだと。やらなくちゃいかんとは思っているんだけど、それに手をつけたら大変だし自分の仕事が増えちゃうから自分の在任中はやりたくないっていうのが本音で、それは違うでしょと。そこを誰かに言ってもらわないといけない。ルネッサンス推進協議会の中でそういう議論をして、じゃ、区がもっと先頭切ってこの問題については解決しますとか言ってくれるだけでも大分違うだろうしね。裏界通路を表に付け替えてくれるだけで全然違ってきますよ。建物の建替え・更新の促進にもなるし、道が広くなれば歩きやすくなるし。

・とはいえ、ルネッサンス活動の成果もあったと言える部分もあるのでは?

これだけ国も含めた行政が一同に会して歌舞伎町という土俵で議論する場面ができたと。自分なんかは全国の繁華街で行って話をするのだけど、歌舞伎町ルネッサンスというのは繁華街に身を置く人たちにとっては非常に興味のある事例として写っている。中にいるとそれはわからないのだけど、薄野とか名古屋の栄とか大阪のミナミの人とか、歌舞伎町ルネッサンスというのは今どうなっているの?とみんな注目してくれてるんですよ。そういう意味では、非常に発信力はあった。

・歌舞伎町にとっては発信力というだけでなく、あーでもない、こーでもないといういろんな議論をしたことによって街の人たちが「このままじゃまずい」と、ある意味では反面教師的にかもしれないけれど街の未来に対する関心を持つきっかけにはなったのではないか?

それは、かなり大きな効果があるかもしれない。というのは、これもいろんな商店街に話を聞いてたりすると、商店街の街の人って10年先20年先の発想ってみんなないよね。で、成功している商店街というのは、ある誰かがそこに着目をしてみんなを集めて今日明日のお金勘定じゃなくて5年先10年先のことを見据えて、今、頑張ろうよ、ということなんですよ。
だから、歌舞伎町もどちらかというと人がいっぱい来てシャッターさえ開ければ儲かっていた時代を過ごしてた人たちがいるんだけど、確かに歌舞伎町でも明日明後日の儲け話にしか興味がなかった人たちが、「おや、そうだよね。5年先10年先を想定して今を考えなくちゃいけないよね。」という風に考え方が変わってきていることは事実だろう。でもまだ全部じゃないんだけど。

・コマ劇場の建替えなんていうのは、非常にいい誘因材料になっているわけだ?

そうそう、あの瞬間に5年か8年先か、少なくともそれを考えざるを得ないんだから。じゃ、コマが8年後新しく綺麗になった瞬間、どう街があるのかなとか、じゃ、その閉じている期間はどうしたらいいのかということが現実的に突きつけられている。

・歌舞伎町ルネッサンスの活動が正式に始まった2005年当初、正直あまり街には意思を感じなかった。それが今になって街が意思を持ち始めた。

意思を持ち始めた瞬間に、あれ?行政の思惑とはちょっと違っちゃったよね、というのが露見しちゃったというだけの話ね。

・本当にここからが大事なわけで。

そうそう。よく議論で言うと、目的と手段と理念のこの3つの組み合わせがあるんですよ。目的を達成するための一つ一つが手段、これを戦術と戦略と表現する人もいるけれども、目的が明確になってなかったらば手段なんて考えられないじゃないですか。じゃ、目的が何か?と言った時に、みんなを求心力のある目的に、たとえば歌舞伎町だったら、わかりやすいので言えば24時間特区(何業たりとも営業時間に規制を受けない特別区)を取りに行く、というのを目的にしてもかまわない。
その目的のために、つまり24時間特区が取れるような街にするためにいまこういうことをやってるというのが手段で、イベントもそうかもしれない。
TMO(タウンマネジメント組織)は本来そういうことが官民一体で出来るような組織をつくろうとスタートしたにも関わらず行政の考えで言うと、目的が理念なんですよ。行政の発想というのはどこでもそうなんですけど、歌舞伎町がどうあるべきかっていう目的じゃなくて、いや、目的は安全・安心な街で劇場街の再生だっていう、それは理念でしょと。目的じゃないでしょと。理念は普遍のものがあって、目的は別になくちゃいけない。どうもね、行政マンっていうのは、ずうっと行政マンでいると目的と手段と理念が混同しちゃうんだよね。
だから、イベントで言うと、我々がやっているイベントごとはある目的があって、たとえば負のイメージを払拭しようとか歌舞伎町は安全なまちであるとPRしようとか、ホームレスがいるからどうしようとか、ヤクザもんがいるからどうしようとか、という目的があってその手段としてイベントをやっていた。だけど、イベントをやったとしてもイベントをやるためには道路使用許可とか占用許可とかのいろんなハードルがあって、非常に困難を極めている。これをクリアにしなくちゃいけないよねって言うのが分かってきたから、イベントをやることそのものはもう目的じゃなくなってきている。
当初はどうもとっちがえちゃってね、いろんな困難があったものだからイベントをやること自体が目的化してた時期も実際あった。だけど、それはよく考えてみたらイベントをやることは目的じゃないよね。あくまで手段だよね。ところが、今の区の考え方は完全にイベントをやることだけが目的になってきちゃっている。それは違うでしょ、と。

・劇場街再生再開発というのがこの歌舞伎町にとっては、そこが軸かなというのがルネッサンス立ち上げ当初はあった。言い方は悪いけど、行政も街も、あるいは四葉会自身もそこに頼りすぎたのでは?

期待しすぎちゃったね

・それが見事に裏切られた。

そう。では、誰がその時掛けちがえたボタンを戻すのか、もう一度話をリセットして考え直すのかという時に、街の人たちは非常にフレキシブルだから、たとえばどんな街になろうと生き残る手段はいくらでもあるわけですよ。だけど、行政は前決めたことを否定できない。縛られて、硬直状態に陥ってしまっているというのが区の実態というのはあるね。

・いみじくも7月10日にTMOが発足すると。掛け違いのまま進んでいくということになりますね。

だから、それだけは絶対に避けなくてはいけない。自分はTMOの発足前のルネッサンス推進協議会のスタッフ会議でも発言するつもりではいるんだけども、もう一辺考え直そうよと、目的が何か、ちゃんと明確にしようよと。そしてその手段というのを一つ一つ検証していって、それを実際にやることが対策で、最終目的はこんな街にしたいということの土俵にしたい

・つまり、究極的には「眠らない街歌舞伎町~24時間特区の実現」ということになる。

一番分かりやすい、来街者や歌舞伎町の人たちにコンセンサスが取れ訴求効果が高いのはまさに「24時間特区」を取りに行きますよ、それが実現できるような街づくりを行っていきますということになる。

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【暴力団対策について】

・歌舞伎町対策とは、地域再生だけではなく、もうひとつの柱は暴力団対策というのが軸ですね。

暴力団対策というのが、ミカジメ料不払い宣言のときに、街の意見というのを自分は言ったんだけども、暴力団に対して、あるいはヤクザもんに対して面と向かって真っ向直球勝負をしようというのが街の意思じゃないんだから、暴力団の資金源になるようなインフラは街として排除していきましょうよと。それは、暴力団に向けての話じゃなくて街の人たちにそれはダメだよと、で、そういう人たちを集めてやろうというのが組織犯罪排除協議会の考え方だし、ミカジメ料不払いというはその手段としてうまくいった。
取り締まるのは警察だし、我々はそれを取り締まることはできない。そういう資金源になるようなインフラだけはしてくれるなと、これで押し通すしかない。街ができることはそれ。で、やれば安全が担保される手法なのかなと。

・個人的な考えではあるが、暴対法という法律があり、指定暴力団の枠内で暴力団の組員には人権がない、一方で暴力団というレッテルを貼ることで管理しやすくしている法律でもある。しかし、現実は、指定暴力団の組員以外が犯罪収益を稼ぎ出してたり、また、法律を犯していなくても脱法的に存在している暴力団インフラの構造に含まれるものたち、逆に脱法的な行為や違法行為をやり続けるカタギの人たちも圧倒的に増え、そのあたりの線引きはもうぐちゃぐちゃな社会構造になってしまっている。

そう言う風に考えると、暴対法というのは確かに警察としては伝家の宝刀としてだいぶ強化されてきているけれども、指定暴力団といって暴力団を指定することでそもそも暴力団を認めちゃっていることになってるよね。それも違うよね。最近矛盾感じてる。

・暴力団の資金源インフラに利害が一致している組員に属さない連中が現実に歌舞伎町には多数存在する。客引き連中なんかはまさにそうで。そもそも、暴対法以前なら彼らは暴力団員というかヤクザもんですよね。しかし、暴力団対策というのがただ「排除」を声高に訴えても、受け皿のない施策じゃないですか。ここでは受け皿をどうすべきかという話は置いておいて、では、たとえば暴力団の人が遵法な正業を営んでいたとする。そこは、いわば受け皿そのものであり、十分許容範囲じゃないかという気がする。

そこは、受け入れ側とか社会倫理とか一般論になってしまって、日本の社会というのはもともとそういう人たちを完全には受け入れないものがあるじゃないですか。別に置いておくというか、それはそれみたいな。組員だった人が抜けたからといって、まともな仕事についているなんていう事例は聞いたことがない。

・盆暮れの付き合いだとか、酉の市だとか、まだ様々なものが文化的にも色が残っている。しかし、それも徐々に薄まっていきつつある。現実に暴力団は食えない世界に追い込まれて行っている。歌舞伎町はまさにそうで、一部の幹部は多少食えているかもしれないが、旧来のヤクザ連中、とくに末端は食えなくなってきている。ヤクザじゃ食えなくなっているものの、しかし社会に彼らの居場所はない、受け皿がない。

暴力団の話で、7月11日の組織犯罪排除協議会総会で弁護士の先生に講演してもらうんだけど、彼の論理で言うと本質は変わってないけど実態は変わっているよと。そこで、自分まだ結論が出てないんだけど、本質が変わってなければダメでしょって問題もあるし、本質が変わらなくても実態が合法なものなら認めなくちゃいけないのかなとか。
たとえば、山口組が傘下組織でまっとうな商売をさせている。そういう組織が歌舞伎町で普通の店を開いている。これをどう判断するの?と言ったときに、困るんですよ。明らかに山口組の二次組織が経営している店に間違いないのだけれど、ヤクザもんの格好をしているのが店員にいるわけじゃないし、行列作っている人気店であったらば街のインフラには合う、だけど、これ山口組の二次組織だよね、資金は上部に上がってるよねと。となると、う~ん・・結論が出せない。まぁ個人的には結論は出るけどね。そういう店では飲食はしないとか。しかし、街として考えるとどうなのかなと。

・一方で、組織・法人は暴力団ではなくても、悪さをする人間はたくさんいる。

いっくらでもいるんだよね。

・たとえば、歌舞伎町の場合は、職質で声掛けて実際に半分以上7割近くの者が刃物を持っているという現実がある。ファッションもあるかもしれないけれど、実際に持っている。先日の秋葉原ではないが、ほとんど起きないとは言ってもああいった事件が偶発的・暴発的に起きかねないストレスが社会の中に内在している。

秋葉原の場合はそこをケアしてなかったのは事実だったと思う。歌舞伎町の場合は、そもそも職質をするようになったきっかけはピッキング対策として法律改正によって道具を持っているだけで逮捕となったことで、黒いカバンの中にピッキング道具があるかないかということではじまったと聞いている。ところが、実際にやってみたらそんなヤツはあまりいなくて、たまたまの結果だったのだけど、みんな刃物を持ってたということが出てきちゃった。これは大変だ、危険だということで地域課のお巡りさんが職質かけて刃物をチェックするようになった。
彼らにしてみれば、そういうのはたぶん伝わっているだろうから歌舞伎町ではストレス発散はできないよねっていうのが、抑止力になってたかもしれない。で、持ち歩いていても何にも言われない街で人が多くてってところに事件が発生しやすいということなのかもしれない。

・組織・法人は暴力団ではない。しかし、客引きを大量に使い、それこそ売上の50%を客引きが持ってくる某Sグループの場合だと、山口組が客引きを派遣し、客引きへの人件費からそのまま山口組の資金に入るという構造を持っている。このケースの場合、警察はまだ手を出していないですが、街としてはそもそも違法な行為をしていて且つ暴力団のインフラになっているからこそ、たとえ組織・企業がカタギだとしても排除という姿勢を示すべきでしょう。一方で、ヤクザだって食っていかなくちゃいけないんだと言ってまともな仕事をしているケース、まさにヤクザから見れば社会順応の受け皿ですよね。ようは、今の暴力団対策、受け皿も用意させない、悪いこともさせない、じゃ、彼らはどこで生きていくんですか?

そう。。。
彼らの暴力団を全部なくして、彼ら組員がカタギになったときに受け皿ないじゃないですか。
そこまで面倒見れない、出来ないんだったら、彼らの二次組織かなんだかはともかく、ちょっと単価は高くなるかもしれないけれどもまっとうな出店だったらいいんじゃないのと考えてもいいのかもしれないね。

・少なくとも来街者に迷惑をかけてない、不快な思いをさせないのであればね?

そうそう、来街者にとって安全が担保できるのであればね。ぼったくりしない、客引きしないとかね。

・現実に、歌舞伎町には警察官が山ほどいます。もしかしたら、警察官はいなくても安全なんじゃないですか?

それね、見てるとわかるけど、自分らがパトロールしてて、ちょっとヤンチャなやつに注意するとかなりの確率、8割ぐらいのものはわりと言うことを聞くでしょ。ところが、お巡りさんが声掛けたり行政の人間が声掛けるとみんな歯向かうからね。
ただ、そういう抑止力っていうのは、この街の場合、権力を楯にやっちゃだめだっていうのも感じてる。俺たちの街なんだからお前たちも街で働いているんだったら街のルールで、あるいは街の秩序は守れと、いうほうが話は通じやすいし効き目もある。

・それは当事者としての存在だと思うんですよ。街の人というのは当事者なので、たとえば人が10人いて悪いやつが5人いたとしても5人まともな人がいれば犯罪は起きない。一方で、地方に行くと、歌舞伎町よりもっと広いエリアでそれこそ人が一人しかいない、で、そのたった一人が犯罪者であれば犯罪が起きちゃうんですよ。それを面的に捉えると、歌舞伎町は0.36平方キロしかない小さな街ですけどそこにどれだけの人がいて、さらに警察官も私服制服合わせてどれだけいるやら。一方で地方は、何十倍も広いエリアにいったい何人の警官が治安を守ってるんですか。だから地方の治安はどんどん悪くなる。

そうだね、それは人数の問題だけじゃなくて日本の国の在り方にもつながっちゃうんだけれど・・

・だから繁華街対策というのは、本来十分民間でもできることなんじゃないか。

できるできる、やろうと思えばね。ただ、民間にできないことは検挙するとかそういった伝家の宝刀がないということだね。それはだから、棲み分けというか、餅は餅屋の、警察のやること、街ができること、警察しかできないこと、だからそのバランスという意味で、ルネッサンス推進協議会はそのバランスはとれたものだったから、立ちあげたことそのものは大きな成果なんですよ。

・一番最初の志は間違っていなかったと言える?

そういうことだと思う。治安対策は総合行政という竹花さんの一言は、まさそうだよねってみんな動き出したんだから。

・でも、言い方を変えれば、歌舞伎町対策はもっと街におんぶに抱っこというか、民間負荷が高くていいんじゃないか?

そうだね、構わないと思う。

・行政や警察の影が薄くても、後ろ支えとしての存在があれば街はやっていける気がする。

うん、成り立つ。

・しかし、地方はそうはいかないでしょ。したがって、警察力を地方全体に配分しなおさないと国全体の治安は良くならないのではないか?

そうだよね。。歌舞伎町というのは、ある意味国の治安対策の象徴的な「場」としてあったかもしれない。けれども、もしかしたら非常に特異な場所で、歌舞伎町で治安対策が成功したからといって全国でうまくいくとは限らないかもしれないね。

・むしろ歌舞伎町だから出来る、これだけ人がいて、これだけ民間力が強い街だからこそ。

そうそう。

・でも、そこでいろんな施策を繰り返していくことで様々な問題を露見し、いい反面教師にはなれるのかな。


【歌舞伎町の魅力について】

たとえば歌舞伎町の中には差別がないかもしれない。どんな人にだって、身の丈に合わせて生きる限り歌舞伎町には働く機会が与えられているし、どんな人だって遊びに来れる構図はあるし、そういう意味では居心地のいいところじゃないかな。その変わり、ある一定レベル以上の人にとっては歌舞伎町に魅力を感じないかもしれない。その人たちはもしかしたら銀座とかね、そういうところに魅力を感じるかもしれない。歌舞伎町は何もそこを求めなくていいんじゃないかな。歌舞伎町に行けば、どんな人だって同じように働く場所も、遊ぶ場所も与えられる。

・10年後の歌舞伎町の姿は城さん見えてる?

まだ明確には見えていない。世の中のことって、今、たとえば食糧の問題とかエネルギーの問題とか10年前は想像してないでしょ?それと同じように、10年先にまったく違うような場面が生じるかもしれない。

・ただ、自分が思うのは、少なくとも街の中で城さんが一番見えるはずですよ。

まぁそうだろうね。そういう位置にいる。

・城さんが一番見えるということは、一方で城さんの負荷も責任も高い。

高いね。

・そこにある責任と同時に能力によるボトムネックを作らないようにしてほしい。

そのプレッシャーはあるねぇ・・。もしかしたら、街が向かう軌道をいい方向に向かわせないような足並みを作ってしまう危険性や可能性もある。

・まちづくりの核にいる人というのは、非常に個人では完結し得ない重い責任を背負っていると言える。

そうだね、確かに。でも、その自覚が行政にないんですよ。自分は自惚れじゃなくて、あります。自分が間違えちゃったら、街の将来を誤らせてしまうという。その責任は一人では取れないんだから、絶対間違えちゃいけないよね。その都度その都度、細かいことであったとしても考え方を修正することは可能だし、しなくちゃいけない場面もある。それが、行政の人にはないんですよ。我々は、こっちの言い分を聞いてあっちの言い分を聞いて、全方位じゃないんだけども、しかしそれが八方美人じゃいけない。ダメなものはダメと言い切れるようなものを持ってなくちゃいけないんだけれども、その許容範囲の中ではどうぞなんでも自由におやりくださいというものじゃなくちゃいけないよね。

・たぶんそれが、この街の魅力そのものになるのかなと。

そうそう!だから一言でいえば懐の深いというか、自分として懐の深さを持ってやっているつもりではあるんだけれども、それが歌舞伎町自体が持っている魅力なのかもしれない。

・ある意味歌舞伎町と同体になりつつある感じですね。

そんな感じ。そこは、自分は非常に意識しているし、間違っちゃいけないと思っている。そこに関して、自分の考え方、自分がやっていることに非常に自信があるから、逆に行政の偏った考え方にものすごく批判的にならざるを得ない。

・それは、裏を返せば城さん自身が行政の影響力が大きいと認めているからですよね。

そういうこと。

・警察も同じく?

そうだね、ただ、警察には正義があるからね。法律を武器として、秩序・治安を守るという正義がある。それを違反した者は検挙するとか摘発をするというね。そういう正義があるじゃないですか、100%こなせるかどうかは別としてね。だから警察とは絶対連携しなくちゃいけない。自分たちの後ろ支えになっているのは常に警察あってこそというものだしね。

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インタビュー後、新宿、そして歌舞伎町に対する思いについて・・・

新宿生まれ新宿育ちで、ウチは3代新宿なんですよ。ものすごく新宿に対する愛着があって、サラリーマンやってた時も新宿を離れたくない、転勤したくないとわがまま言ってた。その愛着で、将来的には新宿に恩返しをしたいなというようなつもりでいたし、その時に歌舞伎町の商店街振興組合というのは昔から知ってたし、選択肢の一つとしてもまちづくりとか新宿に役に立つことだったらボランティアでもいいからやりたいというのは持ってた。それがちょっと早まっただけの話で。5年前かな、商店街振興組合の事務局長の声がかかったときはぜひやらせてくださいって言っちゃいました。今やっている仕事は、これまでやってきて、もしかしたら一番やりたかった仕事になっているかもしれない。そう言う意味では、今掲げている「24時間特区」は最大の目標だし是が非でも実現したいと思ってます。

24時間特区をとって歌舞伎町を仮に卒業したら、今度は新宿のことを考えようかな。だったら選択肢として新宿区のことを考えるんだったら、新宿区の首長でしょなんてね、そんな想いもあるんです。半分冗談ですが、半分本気です。そういう人生の引き出しはいろいろ持ってた方がいいと思ってますしね。


歌舞伎町商店街振興組合事務局長、城克(じょうまさる)のオフィシャルブログ「歌舞伎町のジョーで~す!」開設 [blog]

歌舞伎町のジョーで~す!

このたび、歌舞伎町商店街振興組合事務局長の城克(じょうまさる)はオフィシャルブログをここに立ち上げさせていただきました。
東洋一の歓楽街「歌舞伎町」のど真ん中で「歌舞伎町のジョー」がこの街の街づくりを通じ、真実と本音と軌跡を赤裸々に語っていきます。
不定期な更新になるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。


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